「遺骨は、お墓ではなく海へ散骨したい!」
自分が亡くなったら、遺骨を海洋散骨してほしいと希望する人が増えているそうです。
少子高齢化により、お墓の管理の問題もあり、従来のように必ずお墓に納骨したいという意識は徐々に減りつつあるようです。
今回は、遺骨を海へ散骨する方法や注意点を紹介します。
目次
海に遺骨を散骨するのは日本で可能?
海への散骨は、日本の法律で禁止されていないため可能です。
しかし、海へ散骨するにはかなり沖に出る必要があり、船をチャーターしなければなりません。
遺骨をかなり細かく砕く(粉骨)作業も必要となります。
また、散骨する海域の地元自治体や漁業関係者などの手続きや理解などが難しい部分もあります。
そのため、個人で海洋散骨を行うのは難しく専門業者に任せたほうが良いといえます。
厚生労働省:散骨に関するガイドライン
HP:https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000763737.pdf
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海洋散骨業者を探す方法
では、どうやって海洋散骨業者を探せばいいのでしょうか?業者の探し方を3つ紹介します。
①規模が大きい葬儀社へ相談する
現在は葬儀スタイルが多様化していることもあり、全国規模の大手葬儀社もあれば、地域密着の小規模の葬儀社もあります。
大手葬儀社であれば、葬儀プランも何種類も揃えており、葬儀ディレクターの資格を保有するスタッフもいることが多いので相談してみると良いでしょう。
葬儀ディレクター資格とは?
葬儀に関わる知識や技能を証明する厚生労働省が認定した資格。
②終活イベントに参加する
自分の老後、最期はどうしたいのか?介護やお金、特に亡くなった後の手続きは多いです。
一人で考えていては難しい問題を、一緒に考えてくれる「終活セミナー」が各地で開催されています。
就活セミナーに参加し、自分の葬儀や遺骨の扱いについて考えてみてはいかがでしょうか?
③ネットで検索する
大量の情報が発信されていますので、正しい情報を見つけることが大切になってきます。
書いてある情報を鵜呑みにせず、直接連絡を取って対応を確かめましょう。
NHKの番組で海洋散骨に関係ある業者が紹介されてから、個人業者や別業種からの参入が増えているようです。
海洋散骨には行政の許可が必要ないため、トラブルになる業者もあるので注意しましょう。
日本海洋散骨協会ガイドラインの主な内容
海への散骨に関しては、全国の海洋散骨業者で作る「一般社団法人日本海洋散骨協会」によってガイドラインが制定されています。
【ガイドラインの内容】
- 海洋散骨を実施する場合、遺骨を遺骨と分からない程度(1mm~2mm程度)に粉末化する。
- 人が立ち入ることができる場所から1海里(約1.8km以上)離れていること。
- 専用船舶で遺族のみ乗せ、養殖場・航路など一般の船客などから視認できない場所で散骨する。
- 自然に還らない副葬品は撒かない。
- 散骨に伴って献花や献酒をする場合は、海洋汚染の可能性があるので注意して行う。
- 参列者の安全確保(一人あたり3000万円以上の船客賠償保険に加入した船舶を用いること)。
参照:日本海洋散骨協会 ガイドライン(HP:https://kaiyousou.or.jp/)
この他にも、本人や遺族からの散骨意志の確認、散骨証明書の発行など細かくルールが定められています。
日本海洋散骨協会のHPには、協会加入業者の一覧あるため業者探しの参考にもなります。
海洋散骨はいくらかかるのか?
海洋散骨は、他の人に配慮し一般の船で行うことができません。
そのため、船をチャーターする必要があり、その分費用がかかります。
散骨方法は大きく3つに分けられます。
1.委託散骨
【委託散骨】
費用の目安:5万円~
業者が遺灰を預かって、遺族の代わりに散骨をします。
散骨日時は指定できませんが、散骨時の写真や散骨地点の緯度経度を記した散骨証明書の発行があります。
2.合同散骨
【合同費用】
費用の目安:10万円〜
複数の家族が船に乗り合わせて、散骨地点へ向かい散骨します。
日時指定ができないことが多いです。
3.個人散骨
【個人散骨】
費用の目安:25万円〜
貸切の船で散骨できます。
船の定員までであれば、複数人乗ることもでき、希望日時・場所も指定可能です。
他にも、移動するためのバスや返礼品の手配などを行う業者もあります。
海洋散骨は生前予約も可能
海洋散骨は、生前に予約することも可能です。
しかし、誰にも相談せずに亡くなってしまうと、家族が同意せず実施できないことがあります。
ご自身・家族・業者の間で、生前に納得いくまで話し合う必要があります。
なぜ海洋散骨をするのか?
海洋散骨が増えている理由は、2つあります。
経済的な問題
お墓の全国平均価格は150万~170万円です。
葬儀の費用も考えると、大きな負担になります。
しかし、海洋散骨でしたら30万もあれば可能で、負担が少なく選ぶ人もいます。
後継者問題
お墓を建てても管理する後継者がいない、子供や孫に負担をかけたくないという理由から海洋散骨を選ぶ人もいます。
しかし、親族が反対する場合もあります。
お墓に納骨し供養するのが当たり前と考える人からすれば、海へ遺骨を撒くことは故人を侮辱する行為に見えることもあります。
親族に理解をしてもらえるよう、海洋散骨について説明しましょう。
まとめ
少子高齢化の影響で、お墓をどうするか近年悩む人が多くなっています。
一つの選択肢として、海洋散骨を考えてみてはいかがでしょうか。
海洋散骨をしたい!とお考えの方は、生前からご家族と準備されることをおすすめします。