「いびきがうるさい」と指摘されたことはありませんか?
実は3人に1人の女性がいびきで悩んでおり、その原因の一つが更年期による女性ホルモンの減少です。
しかし、なかには「睡眠時無呼吸症候群」という危険ないびきの可能性もあり、ほかっておくと高血圧や心疾患などの生活習慣病になるリスクが高まります。
今回は、女性のいびきの原因や自分でできる対策、通院して治す治療方法についてご紹介します。
目次
そもそも「いびき」とは?
そもそも「いびき」とは、なんなのでしょうか?
いびきとは、睡眠中に上気道が狭くなり、呼吸をするたびに周囲の粘膜が震えて発生する振動音のこと。
※上気道:鼻から気管支までの空気の通り道のこと。
つまり、いびきをかく人はなんらかの原因で睡眠中に上気道が狭くなり呼吸がうまくできていないという事です。
そのため、毎日いびきをかく人は、寝ている間の呼吸が不十分で睡眠の質が低い状態が続いているといえます。
低呼吸や無呼吸の状態を繰り返すと血圧が上がり、最悪の場合は脳梗塞・心疾患などの重大な病気を引き起こす可能性があります。
いびきをかくことは、一緒に寝る人の睡眠の妨げになるだけでなく、自分の身体にも大きな負担となります。
いびきをかきやすい人の特徴や原因
いびきをかきやすい人の特徴や原因はいくつかあります。
- 肥満
- あごが小さい
- 首が太い、短い
- 仰向けでの寝ている
- 口呼吸
- アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
- 喫煙
- 飲酒
タバコを吸うことによって、のどや鼻の粘膜が弱くなって炎症が起こり上気道が狭くなりやすくなります。
また、飲酒はアルコールの作用で咽頭や舌の筋肉がリラックスして落ちてくるため、上気道を狭くします。
喫煙や飲酒は、やめることでいびきが改善される人もいますよ。
更年期による女性ホルモンの減少
女性ならではの原因もあります。それは「更年期」です。
更年期が始まり女性ホルモンの分泌が減ることで、いびきをかきやすくなります。
女性ホルモンには「上気道大筋」という上気道の開きを維持する筋肉の働きを活発にさせる作用があり、これによって気道が確保されます。
しかし、更年期で女性ホルモンの分泌が減っていくと、上気道大筋の働きが弱まり気道が狭くなっていびきをかきやすくなるようです。
以前はいびきをかかなかったのに、年齢とともにいびきをかくようになった人も多いのではないでしょうか?
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自分でできるいびき対策3つ
自分でできる「いびき対策」はどれも簡単なものなので、悩んでいる人はぜひ試してみてください。
1.自分にあった枕を使う
枕が高すぎると首が圧迫されて、いびきをかきやすくなります。
また仰向けに寝ると上気道が圧迫されるので、横向きに寝るのがおすすめです。
「横寝まくら」という横向きに寝る枕も販売されていますので、試してみてはいかがでしょうか。
2.鼻呼吸テープを使う
鼻づまりで口呼吸をしてしまう人は、市販の「鼻呼吸テープ」を鼻に貼ることで鼻腔を拡張でき鼻呼吸しやすくなります。
一方、鼻詰まりが原因でない口呼吸(口呼吸が習慣になっている人)には、口にテープを張って鼻呼吸を促すこともできます。
3.舌出し運動をする
睡眠中の口呼吸を改善するのにおすすめなのが「あいうべ体操」!
福岡市みらいクリニックの今井一彰先生が提案する体操で、舌と口を意識的に動かし口呼吸を鼻呼吸へ改善していきます。
口を大きく動かしながら「あー」、「いー」、「うー」と言い、最後の「ベー」で舌を限界まで伸ばします。
これを1日30セット行うと、いびきが少しずつ改善されるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群とは?
いびきの中には、重大な病気に繋がる危険ないびきがあります。
このような症状はありませんか?
- 夜中に何度も目が覚めてしまう。
- 朝起きてスッキリしない。
- 日中眠気に襲われる。
- 家族によくいびきをかいていると指摘される。
- 朝起きて口や喉がカラカラになっている。
これらに当てはまると「睡眠時無呼吸症候群」という病気の可能性があります。
【睡眠時無呼吸症候群】
睡眠中に無呼吸状態が繰り返される病気。
(目安)
- 無呼吸が10秒以上続いている
- 無呼吸が1時間に5回以上、もしくは7時間に30回以上ある
睡眠時無呼吸症候群をそのままにしておくと、血液中の酸素濃度が低下し、それを補うために心臓の働きが強まり高血圧や動脈硬化といった病気に繋がりやすくなります。
さらに、高血圧や動脈硬化が進むと、脳梗塞や心疾患といった重大な病気を起こしやすくなります。
通院による治療方法
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、一度専門の病院で相談することをおすすめします。
病院を選ぶ際のポイントは、睡眠時無呼吸症候群に対応している病院を探すことです!
専門外来もありますが、一般的には内科、呼吸器内科、循環器科、耳鼻咽喉科などを受診するようです。
ただし、上記の診療科の病院でも治療を行っていないところもあるため、事前に確認してから診察に行かれることをおすすめします。
専門の病院では、以下の治療が行われています。
【CPAP(シーパップ)療法】
寝るときに鼻にマスクを装着し、一定のリズムで空気を送り睡眠時の呼吸を補助する装置です。
早い人だと使ったその日からいびきをかかなくなり、朝もスッキリ起きれるそうです。
持ち運びもできるので、旅行や出張など自宅以外でも使え重宝します。
快眠は手に入れられますが、対処療法のため根本的な改善にはなりません。
【マウスピース】
睡眠中の無呼吸やいびきは、寝ている間に下顎が後ろに下がり、のどの奥に舌が入り込んで呼吸しづらくなることで起きます。
これを防ぐために使うのがマウスピース!
マウスピースで上下の歯を固定すると、仰向けに寝ても下顎が下がらなくなるため、空気の通り道ができて呼吸が楽になりますよ。
【レーザー治療】
いびきの原因の一つに、睡眠中にのどの奥の口蓋垂(のどちんこ)が空気の通り道をふさいでしまうことがあります。
そこで、口蓋垂周辺部分にレーザーを照射して切ることにより空気の通り道を広げてあげます。
メスによる外科手術よりも痛みや出血を抑えられるのがメリットです。
まとめ
人に相談するのは恥ずかしいですが、睡眠時無呼吸症候群のように危険ないびきの可能性もあるため、早めに対処されることをおすすめします。
女性の場合、更年期も関係しますので誰にでも起こりうることです。
まずは自分でできる対策を試してみて、それでも改善しなかったら専門の病院に相談されるとよいでしょう。