「子供がよくつま先歩きをしている」
「うちの子、もう2歳になるのに走り方が変だな」と悩んでいませんか?
それ以外にも寝ない・しゃべらない・返事をしない・目が合わないなど「あれ?」と思うことはありませんか?
このような特徴は「発達障害」の可能性があり、2歳〜3歳頃に目立ち始めることが多いようです。
もちろん後に取り越し苦労だったという場合もあります。
今回は、発達障害の特徴として現れる「つま先歩き」の原因や対策、そして改善するための感覚遊びについてご紹介します。
心配されている親御様のお役にたてれば幸いです。
目次
2歳を過ぎても「つま先歩き」が続く原因は?
歩き始めて間もないころは、つま先歩きをすることが上手に歩くための練習過程の一つなので気にすることはありません。
しかし、歩き出して3か月以上経ち2歳頃までつま先歩きが続く場合は、以下の3つの可能性が疑われます。
- 突発性つま先歩行
- 痙性(けいせい)麻痺
- 発達障害(自閉スペクトラム症)
突発性つま先歩行
病名は付いていますが、ほとんどが自然治癒し、治療が必要なケースはごく一部なのであまり心配しなくても大丈夫です。
原因は分かっていませんが、親からの遺伝のケースが多いようです。
痙性(けいせい)麻痺
ふくらはぎの筋肉が固くなり、つま先でしか歩けなくなる病気で治療が必要となります。
歩き方に違和感がある場合は、小児科医に相談して、必要があれば小児整形外科医の診察を受けましょう。
発達障害(自閉スペクトラム症)
身体的な病気が原因でなく、つま先歩きをすることもあります。
それは「発達障害」が原因の場合です。
特につま先歩きは、発達障害の1つの「自閉スペクトラム症」であることが定型発達児より多いという研究結果が出ています。
スポンサーリンク
発達障害とは?自閉スペクトラム症ってなに?
「発達障害」とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがある障害で、社会生活に困難が生じやすく、外見では分かりにくいため困りごとは人によってさまざまです。
発達障害の種類は、大きく3つに分かれます。
【発達障害】
- 自閉スペクトラム症
- ADHD
- 学習障害
この3つのなかの自閉スペクトラム症の特徴として、つま先歩きをすることがあります。
自閉スペクトラム症とは
先天的な発達障害の一つで、特徴として対人関係や社会性の障害、感覚過敏や言葉の発達の遅れ、こだわりの強さがあります。
それぞれの特徴の現れ方は子供によって違いがあり、成長によっても変化していきます。
【幼児期にあらわれる特徴】
- あやしても目が合わない
- 人見知りしない
- おもちゃのタイヤを延々と回し続ける
- 物の並べ方にこだわりがある
- ことばを話しても棒読み
- 寒い日に薄着しても気にならない
- 物音に過敏に反応する
自閉スペクトラム症の割合は、全人口の約1パーセントで、子供の約20~50人に1人。
男性の方が女性の約4倍多いといわれています。
「自分の育て方やしつけが悪かったの?」と悩む方もいますが、親のせいでは決してありません。
なぜ「つま先歩き」をするの?
自閉スペクトラム症の子がつま先歩きをするのは、感覚のアンバランスが原因といわれています。
- 足裏の感覚が過敏で床につけたくない
足裏やかかとに感覚過敏があり、床に足をつけることを不快に感じます。
そのため、嫌な感覚を避けるためにつま先歩きになると考えられています。
- 自分で刺激を求めている
感覚過敏とは反対に感覚刺激を感じにくい子は、わざと自分で刺激を作り出そうとつま先で歩きます。
感覚鈍麻といい、歩いたり走ったりしても刺激が足りないため、つま先で歩いたりジャンプしたり自己刺激をします。
つま先歩き=自閉スペクトラム症?
「つま先歩き」は自閉スペクトラム症の特徴の一つとして現れますが、定型発達児でも遊び感覚でつま先歩きをすることもあります。
自閉スペクトラム症の子でもつま先歩きをしない子もいますし、つま先歩きをするからといってすぐに診断されるわけでもありません。
しかし、つま先歩きだけでなく他の特徴も持ち合わせていて不安な場合は、小児科医や市の発達支援センターに相談されることをおすすめします。
感覚遊びをやってみよう!
ずっとつま先歩きをしていると、足首やかかとの筋肉の発達に影響が出ます。
かかとをつけて歩けるようになるためにも、遊びを通じて感覚の発達を促しましょう!
感覚過敏がある場合は、無理やり不快に感じる床を歩かせるのではなく、その子にとって心地よく触れる素材に変えてあげるといいです。
反対に、感覚刺激を感じにくい子には、足裏を刺激する遊びを取り入れてあげます。
発達を促す感覚遊び
感覚の発達を促す、おすすめの遊びをご紹介します。
【おすすめの感覚遊び】
- クッション渡り (クッションをつなげて、クッションの上を歩く)
- 布団からジャンプ (布団やマットで大小の山をつくり、山から山へジャンプ)
- 平均台歩き
- トランポリン
- なわとび
他にも山登りや川遊び、公園の遊具など外遊びには感覚遊びがたくさんあるので、無理せずお子さんが楽しく取り組めるものから始めてみましょう。
遊びのなかで苦手な感覚に慣れたり発達を促していけば、少しずつ「つま先歩き」が改善されていきますよ。
まとめ
自閉スペクトラム症である場合は、つま先歩きだけでなく他にも子育て中に違和感や大変だと思うことが多いです。
一人で悩み抱えず、かかりつけの小児科や健診の時などに相談してみてください。
早期に発見できると子供の早期療育へ繋がりますし、特性を知ると今まで疑問に思っていた行動の理由が分かりますよ。